海外でのお茶の種類

更新日:2025年03月21日

公開日:2025年01月30日

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海外のお茶について

世界のお茶の種類

お茶は,世界各地で楽しまれている飲料です。

日本茶を代表する煎茶や抹茶,焙じ茶はもちろんのこと,中国茶や紅茶も,ツバキ科ツバキ属の永年性常緑樹であるチャノキからつくられています。

一方,世界でつくられているお茶のなかには,様々な草木を原料としてるものがあります。

紅茶

グラスに入った紅茶
紅茶の茶葉

紅茶は,「ホンチャ」と呼ばれ,完全発酵して作られます。

紅茶といえば,イギリスやインドを思い浮かべる方も多いですが,発祥地は中国です。

17世紀頃,中国とイギリスの貿易が盛んに行われており,烏龍茶を船で輸送していた際に発酵が進み,紅茶に変化しました。

イギリスでは,烏龍茶よりも紅茶が好まれたため,その後紅茶が発展したと言われています。

紅茶は花や果物のような華やかな香りと甘味が特徴です。

紅茶の種類

紅茶は「世界三大紅茶」と呼ばれるインドの「ダージリン」,スリランカの「ウバ」,中国の「キームン」が有名です。

紅茶の種類は,茶の産地名がそのまま銘柄になっているものがほとんどです。

ダージリン(インド)

ダージリンは,有名な紅茶の銘柄の一つで,インド・ダージリン地方で収穫される茶葉です。

「紅茶のシャンパン」と言われ,水色は薄い薄いですが,さわやかで甘い香りと品のある渋みが特徴です。

「ダージリン」という生産地の名前がついてあるとおり,他の生産地でつくった紅茶は,ダージリンティーとは呼べませんが,「ダージリン産の茶葉と他紅茶産地の茶葉」をブレンドしたダージリンティーもあります。

収穫は3~10月で年に3回行われますが,5~6月に収穫されたものは最高級品とされ,高い香りと絶妙なコクや味わいを持っています。

ウバ(スリランカ)

ウバは,スリランカ南東部に位置するウバ地方で収穫される茶葉です。

赤みの濃いオレンジ色で芳醇な強い香りが特徴で,刺激的な味わいを持っており,後味はすっきりしています。

収穫は1年を通して行われますが,7~9月に収穫される茶葉は,バラやスズランの花香の甘い独特の香りである「ウバフレーバー」が楽しめるため,珍重されて高値が付けられます。

キーモン(中国)

キーモンは,中国南東部に位置する案徽省で収穫された茶葉です。

澄んだ明るい水色でバラやフルーツのような華やかな香りと甘味,やわらかな渋みが特徴です。

収穫は他の茶葉に比べると6~9月と短いため,生産量が少なく高価格です。
その中でも,8月に収穫された茶葉は最高級品として高値で取引されます。

アッサム(インド)

アッサムは,インド北東部に位置するアッサム地方で収穫された茶葉です。

強い甘味と深いコクが特徴で,香り高いことからミルクティーに使われることが多いです。

収穫は3~11月にかけて年に3回行われますが,6月頃に収穫された茶葉は芳醇な香りと奥深い味わいが楽しめるため,最良品とされています。

ケニア

ケニアは,紅茶の生産量が世界3位を誇ります。

コーヒーのイメージが強いですが,紅茶の生産量・輸出量が高い国です。

ケニアで収穫された茶葉は,濃い赤褐色で,まろやかですっきりとした味わいが特徴で,甘味もあるので,ストレートやミルクティーとして使われることが多いです。

収穫は1年を通して安定した質のいい茶葉が収穫できるため,紅茶の産地として世界でも人気の高い地域です。

ジャワ

インドネシアのジャワ島で収穫される茶葉は,鮮やかなオレンジ色や赤色で,マイルドな香り,苦味や渋味が少ないことが特徴です。

1年を通して安定的な収穫ができます。

ややコクが不足しているため,主にブレンド用や増量用に使用されることが多いです。

茶葉のクセがあまりなく,飲みやすいので,ストレートティーやフルーツやアルコールを加えてカクテルにしても美味しいです。

フレーバーティーの種類

フレーバーティは,茶葉にフルーツや花,スパイス等で香りを付けた紅茶のことです。

香りが付いたお茶は,茶葉に華やかさを持たせて,たくさんの種類があることからとても人気があります。

香りの種類や組み合わせ,香りの付け方で茶葉の印象が全く異なるので,バリエーションが豊富です。

アールグレイティー

アールグレイティーは,フレーバーティーの一種で,紅茶の茶葉に「ベルガモット」という柑橘系のフルーツ由来のオイルで香り付けをした紅茶です。

ダージリンでつくったアールグレイティーや,中国紅茶でつくったアールグレイティーもあります。

その他
フルーツを使ったフレーバーティー

フルーツで香り付けをした紅茶です。
さわやかな香りですっきるとした味わいになるので,アイスティーとして飲まれることも多いです。

  • アップルティー
  • レモンティー
  • ピーチティー
  • マスカットティーなど
花を使ったフレーバーティー

花で香り付けした紅茶です。
香りが強く,色も鮮やかで,花びらを茶葉に混ぜて楽しむこともできます。

  • ローズティー
  • バニラティー
  • サクラティーなど
スパイスを使ったフレーバーティー

ジンジャーやシナモン等のスパイスで香り付けをした紅茶です。
スパイスの独特な香りで,複数のスパイスを組み合わせて作ることも多いです。
寒い時期に人気で,ミルクと相性が良いもの特徴です。

  • チャイティー
  • キャラメルティーなど
香料を使ったフレーバーティー

フルーツや花から抽出した香料等を茶葉に吹きかけて香りをつけ,乾燥させたものから作られた紅茶です。
素材そのもので香りをつけることが難しいキャラメルやチョコレート,ハニーでもフレーバーティーとして楽しむことができます。

  • キャラメルティー
  • チョコレートティー など

ウーロン茶

グラスに入ったウーロン茶
ウーロン茶の茶葉

ウーロン茶は,半発酵茶で,発酵した茶褐色の葉と不発酵の緑の葉が混じり合って,青っぽく見えることから,青茶と書いて「チンチャ」とも呼ばれます。

烏龍茶は大別すると中国産と台湾産に分かれます。

中国産はフルーツのような香りで,しっかりとした味わいに対し,台湾産は花のような香りで,まろやかな味わいです。

ルイボスティー

マメ科の針葉樹であるルイボスでつくられたお茶です。
南アフリカ・西ケープ州のセダバーグというエリアが産地となっており,現地では「不老長寿のお茶」「奇跡のお茶」などと呼ばれてきました。

また,カフェインを含まないため,妊婦や幼児にもおすすめのお茶です。

マテ茶

モチノキ科の常緑喬木であるイェルバ・マテでつくられたお茶で,南米のアルゼンチン,ブラジル,パラグアイで生産されています。

マテ茶の起源は,パラグアイのグァラニ族の飲用とされておりますが,当時のインディオの人々は肉中心の食生活で野菜を食べる習慣がなく,生活習慣病や肥満の発症を抑えるため役立っていたのがマテ茶であるといわれています。

カフェインは,緑茶の半分程度含まれています。

後発酵茶(こうはっこうちゃ)

不発酵茶(緑茶),半発酵茶(烏龍茶),発酵茶(紅茶)とは別に,微生物による発酵を促す「後発酵茶(こうはっこうちゃ)」というお茶があります。

後発酵茶は,加熱して酵素の働きを止めた後に微生物によって発酵させた茶で,黒い色と独特の香りを持ちます。
日本の碁石茶(ごいしちゃ)や阿波番茶(あわばんちゃ),中国のプーアール茶などがあります。

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