【国選定重要伝統的建造物群保存地区】南九州市知覧伝統的建造物群保存地区

更新日:2023年12月01日

公開日:2023年09月26日

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きれいに整備された石垣と生垣が両側に並ぶ道が真っ直ぐに奥まで続いている南九州市知覧伝統的建造物群保存地区の写真

知覧は,薩摩藩(島津77万石)の113外城の一つで,南薩の要衝として知覧島津氏(佐多氏)の私領地でした。伝統的建造物群保存地区として地区面積18.6ヘクタールが昭和56年に選定され保存されている町並みは,今から250年程前に整備されたと伝えられています。領主の御仮屋を中心として道路割をなし,防備を兼ねた城塁型の区画となっています。また,武家屋敷の戸ごとに庭園が築かれ,母屋と庭園がよく調和していることと,通りに面した石垣の上には,大刈り込みによる生垣が続き,地域全体が自然をよく取り入れた一つの庭園都市的な造りとなっており,伝統的建造物群及び地割りがよく旧態を保持している地区として評価されたものです。

また,伝建地区内には江戸時代中期・後期のものと考えられる庭園が多く残されており,その中でも7つの庭園がよく保存されており,昭和56年に国の名勝指定を受けています。

7つの庭園のうち,1ヵ所は池泉式庭園で,他の6ヵ所は枯山水の庭園ですが,その意匠は,奥に築山を設け,聳えるような立石を主軸に枯瀧を組み,石組みを配し,また石塔や灯籠を配し,背後を大刈り込みで,更に外側を波状生垣で修飾しており,生垣には茶・イヌマキ,大刈り込みにはツツジ・サツキを,庭石には凝灰岩を用いること等ほぼ共通しています。

そして,各戸の石垣・生垣は連続して美しい町並みを形成しています。町並みの東方には,庭園の借景ともなっている母ケ岳が優美な山容を見せています。

各庭とも,それぞれ秀でた意匠で構成されており,その手法には琉球庭園と相通ずるものがあり,庭園文化の伝播を知るうえでも貴重な文化財です。

複数の大きな石で石塔や灯篭が配置され、周囲にはきれいに選定されたたくさんの木々が並んでいる庭園の写真の外観写真
複数の大きな石で石塔や灯篭が配置され、周囲にはきれいに選定され、葉が所々赤く色づくいた木々が並んでいる庭園の写真
左側には軒先が見え、右側には大きな石や選定された木々と池がある庭園の写真

地図

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