【市指定有形民俗】両添山添の六地蔵塔

更新日:2023年12月01日

公開日:2023年10月11日

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シダ植物が生える墓地に所在する塔身部分に地蔵が彫られた、左:宝珠が失われた六地蔵塔、右:笠の上に宝珠の乗った六地蔵塔の写真

六地蔵とは,六道輪廻の思想に基づき六道(天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道)に六種(日光・除蓋障・持地・宝印・宝珠・檀陀)の地蔵が存在し人々を救うという説から生まれた信仰で,墓地や村落の入口等に地蔵像を6体並べて祀られたものです。

6体の地蔵尊が独立した石像や石塔で構成される「別石六地蔵」と,一つの石材に6体の地蔵尊が彫刻された「一石六地蔵」に分けられ,一石六地蔵には舟形六地蔵や石幢型がある。全国的に別石六地蔵が多いが,鹿児島を含む九州では,寺院や墓地,古戦場跡等に塔の側面に6体の地蔵像を彫った石幢型が多く建立されています。

「両添山添の六地蔵塔」は,両添(田之上村)の向城寺跡の墓地に所在する笠塔婆の別石六地蔵です。塔身上部に蓮台と舟形の光背を持つ地蔵像が半浮き彫りで彫刻されています。6基のうち4基は宝珠が失われ,1基は笠が五輪塔の火輪部に置き換えられています。向かって左から3基目の塔身に,「奉造立庚申■■」「于時延宝二年」「二月吉日」(■は摩滅により判別不能な文字)という銘文があり,江戸時代の1674(延宝2)年2月,庚申供養のために建立されたものと考えられます。明治初期の廃仏毀釈とその後の墓地整理により,現在は不規則な間隔で壁に埋め込まれています。

シダ植物が生える墓地に所在する塔身部分に地蔵が彫られた、左:彫られた地蔵の下に奉造立庚申と彫刻された六地蔵塔、右:笠の上の宝珠が失われた六地蔵塔の写真
シダ植物が生える墓地に所在する塔身部分に地蔵が彫られた、左:笠の上の宝珠が失われた六地蔵塔の写真、右:笠が五輪塔の火輪部に置き替えられた六地蔵塔の写真

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