社会福祉法人に対する指導監査について
以下については,社会福祉法人指導監査実施要綱を基本として作成してあります。一般的な事項のみを掲載してありますのでご了承ください。
1 指導監査の目的
社会福祉法人(以下「法人」という。)に対する指導監査は、社会福祉法(昭和26年法律第45号。以下「法」という。)第56条第1項の規定に基づき、法人の自主性及び自律性を尊重し、法令又は通知等に定められた法人として遵守すべき事項について運営実態の確認を行うことによって、適正な法人運営と社会福祉事業の健全な経営の確保を図るものである。
2 指導監査の類型
- 指導監査は、一般監査と特別監査とし、いずれも実地において行う。
- 一般監査は、一定の周期で実施する。その実施に当たっては、年度当初に指導監査の方針、指導監査の対象とする法人及び指導監査の実施の時期等を内容とした指導監査の実施に関する計画(以下「実施計画」という。)を策定した上で、別紙「指導監査ガイドライン」に基づき実施する。
- 特別監査は、運営等に重大な問題を有する法人を対象として、随時実施する。その実施に当たっては、別紙「指導監査ガイドライン」に基づいて行うほか、当該問題の原因を把握するため、必要に応じて詳細な確認を行う。
3 一般監査の実施の周期
- 毎年度法人から提出される報告書類により法人の運営状況を確認するとともに、前回の指導監査の状況を勘案し、以下の事項を満たす法人に対する一般監査の実施の周期については、3箇年に1回とする。
- 法人の運営について、法令及び通知等(法人に係るものに限る。)に照らし、特に大きな問題が認められないこと。
- 法人が経営する施設及び法人の行う事業について、施設基準、運営費並びに報酬の請求等に関する大きな問題が特に認められないこと。
なお、法人に対する一般監査と施設又は事業(以下「施設等」という。)に対する監査(以下「施設監査」という。)との実施の周期が異なる場合において、これらの監査を併せて実施することが所轄庁及び法人にとって効率的かつ効果的であると認められること等特別の事情のあるときは、所轄庁の判断により、監査の実施の周期を3箇年に1回を超えない範囲で設定することができる。ただし、その場合には、法人の理解と協力が得られるよう十分に配慮するものとする。
- 法人の運営等に関する問題が発生した場合や、毎年度法人から提出される報告書類の内容から当該法人の運営状況に問題があると認められる場合については、実施計画にかかわらず、必要に応じて指導監査を実施する等適切に対応する。
4 指導監査事項の省略等
- 法第36条第2項及び法第37条の規定に基づき会計監査人を設置している法人並びに法第45条の19に規定する会計監査人による監査に準ずる監査を実施している法人については、当該監査の際に作成された会計監査報告に「無限定適正意見」又は「除外事項を付した限定付適正意見」が記載されている場合には、別紙「指導監査ガイドライン」の3.「管理」の3「会計管理」に関する監査事項を省略することができる。ただし、「除外事項を付した限定付適正意見」である場合は、除外事項に関して、理事会等で協議の上、改善のための必要な取組を行っているかについて、指導監査において確認するものとする。
- 専門家による財務会計に関する内部統制の向上に対する支援や財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援を受けている法人については、専門家が当該支援を踏まえて作成する書類として別に定めるものにより、会計管理に関する事務処理の適正性が確保されていると所轄庁が判断する場合には、別紙「指導監査ガイドライン」の3.「管理」の3「会計管理」に掲げる監査事項を省略することができる。
- 上記1の会計監査及び上記2の専門家による財務会計に関する内部統制の向上に対する支援を受けている法人に対する指導監査を実施するに当たっては、別紙「指導監査ガイドライン」の1.「組織運営」に掲げる項目及び監査事項に関して、会計監査を行った者又は専門家が当該支援を踏まえて作成する書類として別に定めるものの内容を活用し、効率的な実施を図られたい。
5 指導監査の結果及び改善状況の報告
- 指導監査の結果に基づいて行う法人への指導は、以下のとおり実施する。
- 法令又は通知等の違反が認められる場合
- 違反が認められる事項については、原則として、改善のための必要な措置(以下「改善措置」という。)をとるべき旨を文書により指導すること(文書指摘)。また、改善措置の具体的な内容について、期限を付して法人から報告をさせ、所轄庁が必要と認める場合には、法人における改善状況の確認のため、実地において調査を行うことができること。
- 違反の程度が軽微である場合又は違反について文書による指導を行わずとも改善が見込まれる場合は、口頭により指導すること(口頭指摘)ができること。
- 法令又は通知等の違反が認められない場合
法人運営に資するものと考えられる事項についての助言を行うことができること。 - なお、上記の指導等を行う場合は、法人と指導の内容に関する認識を共有できるよう配慮する必要がある。
- 法令又は通知等の違反が認められる場合
- 指導監査の結果に基づく法人への指導に際しては、常に公正不偏かつ懇切丁寧であることを旨とし、単に改善を要する事項の指導にとどまることなく、具体的な根拠を示して行うものとする。また、法人との対話や議論を通じて、指導の内容に関する真の理解を得るよう努め、自律的な運営を促すものとする。
- 指導監査の結果に基づく法人への指導を行った事項について改善が図られない場合には、法第56条第4項又は第58条第2項の規定に基づき、改善のために必要な措置をとるべき旨の勧告(以下「改善勧告」という。)をする等所要の措置を講ずる。
- 前述の改善勧告を受けた法人が、当該勧告に従わなかったときは、法第56条第5項の規定に基づき、その旨の公表をする等所要の措置を講ずる。
- 改善勧告を受けた法人が、正当な理由がなく、当該勧告に係る措置をとらなかったときは、法第56条第6項又は第58条第3項の規定に基づき、当該勧告に係る措置をとるべき旨の命令(以下「改善命令」という。)をする等所要の措置を講ずる。
- 前号の改善命令に従わないときは、法第56条第7項及び第8項の規定に基づく業務の全部若しくは一部の停止の命令、役員の解職勧告又は解散命令等も検討の上、適切な改善措置を速やかに実施する。
- 指導監査の結果の開示は、法人運営の適正化のみでなく、利用者の立場に立った質の高いサービスの提供に資することも目的としていることを踏まえ、各都道府県市の情報公開条例に基づく開示請求に対しても積極的に閲覧を可能としておく体制を整えることが望ましい。
6 指導監査の結果の報告
都道府県、指定都市及び中核市が実施した各年度の指導監査の結果(都道府県にあっては、管内市(指定都市及び中核市を除く。)が実施した指導監査の結果を含む。)については、別に定めるところにより、厚生労働省社会・援護局福祉基盤課に報告する。
7 関係機関等との連携等
- 法人運営と施設等の運営とは相互に密接な関係を有するものであることから、法人の指導監査を行うに当たっては、当該法人の施設等が所在する区域の行政庁に必要な情報又は資料の提供その他必要な協力を求める等、十分に連携を取りながら実施する。
- 当該法人の施設等が所在する区域の行政庁は、法人に対して適当な措置をとる必要があると認めるときは、法人の所轄庁に対し、その旨の意見を述べることができる。
- 指導監査の過程において、所轄庁が処分権限を有さない法令又は通知(労働関係法令、消防関係法令等)に関する違反の疑いのあるものを発見した場合は、施設監査の所管課又は当該法人の施設等が所在する区域の行政庁と十分に連携を図りながら、法人に対して管轄機関への確認を促す等の指導を行う。その際、法人と指導内容の認識を共有できるよう配慮するとともに、必要に応じて、処分権限を有する関係機関へ通報する等の措置をとることにより、適切に対応する。
この記事に関するお問い合わせ先
【福祉健康課 社会福祉係】
電話番号:0993-56-1111
メールでのお問い合わせはこちら
更新日:2023年12月01日
公開日:2023年12月01日