【県指定名勝・天然記念物】番所鼻の溶結凝灰岩の環状プール

更新日:2023年12月01日

公開日:2023年09月25日

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海の向こうに開聞岳を眺める番所鼻自然公園にて、干潮の時間に現れる環状型の岩礁の写真

南九州市頴娃町別府にある番所鼻自然公園のプール状の地形は、江戸時代に編纂された「三国名勝図会」に「長手崎池」という呼び名で登場し、内側の円形の池を「内池」、外側の半分ほどが海に隠れている池を「外池」と記されています。

このような環状の岩礁は、数十万年前の阿多カルデラに由来する溶結凝灰岩が、下部が浸食されて空洞化し、天井が陥没してできた環状岩礁であると考えられています。海岸を歩くと、陥没した岩礁の縁となる部分や、崩落した天井部分の岩の塊などを観察することができます。

江戸時代から知られた景勝地であること、差別浸食と海水準変動の相互作用によって形成された、全国でも珍しい岩礁地形であることから、令和2年4月に鹿児島県の名勝及び天然記念物に指定されました。

海の向こうに開聞岳を眺める番所鼻自然公園にて、環状型の岩礁を緩やかな地平線と共に高台から撮影されたパノラマ写真
断面は色の違う層が見え、中央部分が四角にぽっかり空いた空洞の写真

阿多カルデラ下の空洞

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