移住者インタビュー(No.9)

更新日:2024年09月09日

公開日:2024年09月09日

ページID: 7702

南九州市川辺町在住・坂本さん夫婦(2023年・鹿児島市から移住)

笑顔の夫婦

名前:坂本 純崇さん,知佳さん
移住地:川辺町
移住前の居住地:鹿児島市
移住時期:2023年3月
職業:有機農家(NONOTABI)
家族構成:夫妻・息子1人   
利用した移住支援制度:空き家等活用支援事業補助金

持続可能な農業と住みたい家を自分の手で実現

鹿児島市で10年ほど有機農業に取り組んだ後,川辺町に移って来た坂本さん。
移住に当たっての条件は,「まとまった農地」「家と畑の距離の近さ」「のびのびとした子育て環境」。
やっと見つかった川辺町の農地と家は,まさに理想とする場所でした。
ゼロからスタートとなった農業と家づくりを,楽しみながらコツコツ積み上げています。

お2人はほぼ未経験で有機農業を始められたそうですね。

知佳さん
私は東日本大震災がきっかけでした。
鹿児島市で勤めていたのですが,これからの人生を考え,子どもに胸を張れる,未来に残していけるようなことをしたいと自然農法に興味を持ったのが始まりです。

インタビューを受けている様子

純崇さん
20歳まで大阪で過ごし,世界を旅した後,上海,東京,鹿児島と移り住んできました。
妻と一緒に有機農業をすることを決め,未経験でも参入できる,まだ栽培方法が確立されていない西洋野菜に注力。
年間80種類ほどを栽培できるようになり,飲食店向けに販売ルートも開拓しました。

インタビューを受けている様子

移住の際,農地と家はすぐに見つかりましたか?

知佳さん
それがすごく大変で2年くらいかかりました。
家もそうですが畑となると知人を通してでないと難しいですし,話が進んでも最終的にダメになったり。
途方に暮れていたところ,友人を通じて「農事組合法人土里夢(どりーむ)たかた」の有村光雄さんにつないでもらえたんです。

光雄さんにお会いすると,その日のうちに農地を見せてくださり,農地のことが一気にクリアになりました。
さらに,高田地区の空き家対策に力を注いでいるジェフリーさんともつながることができ,「とっておきの家がある」と紹介されたのがこの家です。
2人との出会いがなければ,進んでなかったですね。

内観の様子

農業も家づくりもゼロからのスタートですが大変ではないですか?

純崇さん
畑は耕作放棄地でかなりやせていたので今まで作っていた野菜が作れず,10年前に農業を始めた頃に逆戻り。
珍しい野菜と多品目がウリだったのですが,にんじんを主とした2~3品目に集中するスタイルへ方向転換しました。

同時に家の改装もほとんど自分でやっています。
新築の家は暖かくて虫も出ず快適ですが,古民家にしかない面白さがあるんです。
それに,ローンに追われて家のために働くような生き方はしたくないですからね。
自分の人生,ゼロからスタートが4回目。
振れ幅が大きい方を選択してきているので,なるようになると思っています。

 

知佳さん
どうにかなってきていますが,大変ですよ(笑)。
でも,来年は畑でスイートコーンも作ろうと頑張っていますし,家についても,農家は家が拠点になる仕事なので,自分の好きな空間にしたいなと思っています。

人参を袋詰めしている様子

子育て環境はいかがですか?

知佳さん
学校までの通学路が,車がほとんど通らない一本道なんですね。
毎朝息子を見送る時に「ここでよかったなあ」と思うんです。

同学年の子が8人で,5人が移住してきた子どもたち。
地元の方も移住者もみんな仲良くて,小規模な学校でのびのび過ごすのが息子にも合っていると思います。
先生方も手厚いですし,距離感は近いかもしれませんが私にはありがたいです。
町の真ん中に充実した図書館があるのも気に入っています。

外観の様子

すぐに地域になじめましたか?

純崇さん
まったく苦労しなかったです。
農地を紹介してくれた光雄さんが,地域の集まりに呼んでくれたり,しきたりを教えてくれたりと,ポイントでアドバイスしてくださったのが大きかったですね。

とにかく,壁をつくらずにオープンマインドでいることが大事だと思います。
子どものためにも,住み心地を良くするためにも,自分から良いコミュニケーションを取ることが一番です。

ご夫婦がインタビューを受けている様子

今後やってみたいことを教えてください。

知佳さん
ますます増えるだろう耕作放棄地を活用し,自然栽培で各家族1年分のお米を作る仕組みづくりをしていきたいです。
水が豊かな川辺だからできることだと思います。
また,いつか裏庭を整備して農業公園のような広場をつくりたい。
高田(地区)が好きだから,地域の方に喜んでもらえることをしたいなと思っています。

 

純崇さん
未来に向けて自然を汚さない農業を続けながら,食育にも取り組みたいです。
子どもたちはもちろん,親の世代にこそ食べるものにもっと気を使ってもらえるよう働きかけたいですね。

家の中にある炊事場

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